「お前は嘘が下手くそだな」









教師とは名ばかりの男に云いように組み敷かれ、喘がされ、朦朧とした意識の中、縋り付いたのはやはり組み敷いた男の腕だった。
何度も男を受け入れた身体が軋みをあげる。それほどまで男の求めるものは多すぎて耐えきれないのだ。
声すら上げられないほど泣いて、啼いて。気が狂いそうな快楽を与えられ、叫んだなは目の前の組み敷いた男ではなく良く知った片割れの名だった。
 眼鏡の奥の瞳が猛獣を思わせる。
熱に浮かされながらも額に浮かんだ汗が頬を伝い落ちる様に欲情した。
男を受け入れた場所が男を貪欲に欲しがる。そんな浅ましさに男が笑った気配がした。
 獰猛な獣が目覚めた。
男はやはり労りを見せることなく求めるのだ。それが嬉しいと思うのはやはり快楽に流されたからなのだろうか。
「君は そろそろ自覚した方がいいよ」
 妖艶な微笑みの中、見下ろしてくる瞳の奥の欲情した炎に焦がれ、男の腰へと足を絡める。それが合図だと云うかの如く男はまた笑った。
 未だ夜が明ける気配はない。
このまま夜が明けなければ良いと思ったのは初めてかもしれない。