世界がどれほど嘆いたかアナタは知らないでしょう。
哀しみの雨が全てを洗い流す様に、この果てしないほどの胸の痛みも洗い流して欲しかった。
永遠を約束したわけではなかった。
永遠を誓ったわけではなかったはずなのに、いつかこれは永遠だと、そう思っていた。
愚かな事だと、アナタは嘲笑うでしょうね。それでも望んでいたのです。アナタとの世界を。
果てしなく遠い過去。永遠を夢見た彼の男が言ったのです。
アナタと共に過ごした時間は余りにも優しく穏やかだったから、勘違いしたんです。共に生きる時間は初めから違っていた。
決して赦されない断罪が一瞬でも赦されたのだと、そう思えたのは錯覚でしかなく。アナタという麻薬は質が悪いくせに上質だから病み付きになってしまう。悲しみも喜びも全てはアナタと共に。
色褪せた世界は決してアナタを救いはしなかった。
私は世界を恨むでしょう。そして永劫に続く世界を憎くみながら生きていくんです。
いつ終るか分からない、そんな命と、最後にアナタが残した言葉を胸に、アナタを思うんです。
終焉はある日突然、訪れた。泣きたくなるほど愛しい終りに、悲しみよりも込上げてくる狂気の様な喜び。
笑いが止まらない。止められるはずがないだろう。
ようやく、ようやく訪れたのだ。この瞬間が。待ちわびた瞬間が、夢にまで見た瞬間が、終りがきた。
解放の瞬間。どれ程の時間を生き、絶望したか。
解放されない終りに幾度アナタを呪ったか。
アナタが生きろと言わなければこんな命、とうの昔に尽きていたはずなのに。
瞬きの数だけ過ぎ去る時間はいくつもの出会いと別れをもたらした。